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2009年 05月 14日
ナチュラルハーモニーメルマガより。
**************** 土壌汚染には三つあるそうです。 一つ目は、「地層汚染」。 重金属など土と結びつきやすいものが、比較的地表近くの土と結びついて 堆積し地層が汚染されます。 二つ目は、「地下水汚染」。 揮発性有機化合物などが地下深く浸透し、地下水が汚染されます。 三つ目は、「地下空気汚染」。 揮発性有機化合物などが地下深く浸透し、なおかつ揮発して地下の空気が 汚染されます。 そして汚染物質となりうるものはさまざまです。 農薬・廃油・有機溶剤・化学肥料・有機肥料・重金属などがあります。 日本では土壌汚染対策法やいくつかの法律で人体の健康に対して有害物質である 物質の規制を行っています。しかし、諸外国では規制対象となる鉱油(モーターオイルなど)は 土壌汚染物質として法律に規制されていません。(2008年6月19日現在 環境省に確認) さらに、日本のこの土壌汚染に対する考え方は人体の健康に対してだけのものです。 ドイツの連邦土譲保全法のように土地の売買に関与した関係者の浄化義務にまで 言及した土譲保全の法律は、日本にはないのが現状です。 どういうことかというと、あなたが持っている土地の、あるいはあなたの会社が 所有する土地の資産価値が、土壌汚染によっていつの間にか下がっていることがあるとします。 当然のことながら、健康被害がなかったとしても土譲が万が一汚染されていた としたら、土地の価値は下がると共に、その調査費用により資産が目減りすることになります。 しかし、その土譲の汚染の浄化義務を定めた法律はなく、10年前に汚染があっても 健康被害がなければ、民法で争うより他にないというのです。 個人にとっても企業にとっても国にとっても、土を汚染することは人体だけの 問題ではなく、コストのかかることだというのですね。 そんな中、海外の公害でいうとアメリカのラブカナル事件が有名ですね。 1953年にアメリカのナイアガラ市でフッカーという会社が、長年に渡って200種類、 21,000トンの化学物質を投棄し、覆土してナイアガラ市教育庁に売り渡したのです。 その後、人が住むようになりました。 しかし、1978年に異臭に対し、調査が入り有害物質が検出されたのですが、 地域の人の中に流産が多発し、先天的な異常をもった子供が多数生まれていることが 分かりました。 歯が2列だったり、心臓に穴が開いていたりしたそうです。 1980年、時のカーター大統領は非常事態を宣言し、地域住民を強制移住させ、 さらに全国に多数こういったケースがあることを想定して 「スーパーファンド法」という法律を作りました。 その特徴は ●過失の有無に限らず当事者の責任を追及すること ●当事者に融資した企業など関連企業までもが浄化の費用の負担すること。 ●現在の法律で過去の行為の責任を追及できること。 上記の3つがあげられます。 そうまでしていてもアメリカは1997年までにさまざまな浄化資金のために 152億ドルの費用を投じているわけです。 この事件や土壌汚染を見るとき、いえるのは 汚すのはカンタン。綺麗にするのは大変。 そのときは楽。あとで借りを返すのは大変。 といったことでしょうか。 人間も水も楽な方へ流れるといいますが、私もそういう癖は多々あります。 また人間は習慣の動物で、蓄積された情報に傾向し、習慣や潜在意識、 健在意識を形成するといわれます。 だからこそ古人は、日々の地道な積み重ねが大事だというのでしょうね。 また自然栽培においては、農薬や肥料により、汚してきた土の汚れを取り除くこと が重要視されます。組織においても、これまでの歪や流れの悪くなっている部分に 目を向けて、その原因を取り除くことができる人がいると組織は 旨く流れるのかもしれません。 自然栽培の農家に学ぶとすれば、これまでにしたことが今見えなくなっている としても、そこにあると考えて過去をしっかりと徐々に清算し、清算する大変さを 身にしみながら、未来に向けた楽しみをもつ。 ナチュラルライフで言うならば、人体を可能な限り汚染せず、今までの汚れを 徐々に楽しみながら取って行く。自然な生活が習慣になるように、さらには 判断の軸を自然におくように工夫してみる。 ネイティブアメリカンの中には「母なる大地になぜ牙を立てるようなことができるの だろうか」と鍬をつかう農耕を拒絶した民族もあるといいます。 そこまではいかなくとも、健康の元である食や住環境。そのさらに元となる土。 自然の懐に活かされていることに思いを馳せるとき、自分たちの思いや行為が どこに向いていいて、どこにつながるのかを知ろうとすることは、 やはり重要なことのようですね。 私たちはもう十分、土が自分たちに作用していることを知っています。 土譲を汚染することなく、日常の生活の中で、土譲を浄化していく取り組みをしたいものですね。 今回は「土譲汚染」を通してナチュラルライフについて考えてみました。 次回をお楽しみに! 参考文献 山海堂『イラストで分かる土壌汚染』編集者 NPO土壌汚染技術士ネットワーク
by love-the-life
| 2009-05-14 13:32
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