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2009年 04月 05日
ともだちが遊びに来た。
その友だちは老人ホームで自分のうんちを食べたり、 壁にうんちをなすりつけたり、 全身うんちまみれになっているおばあちゃんを最近お世話した、 という話。 でも友だちの感想は、イヤだった、とか、大変だったという話ではなくて、 その認知症のおばあちゃんは、 味覚がなくてかわいそうだ、という内容だった。 友人は、おばあちゃんの口の中から、 うんちをかき出してあげながら、そう思ったという。 私はこのとき、 彼女の仕事はなんて尊い仕事なんだろう、 と思った。 うんちまみれのおばあちゃんは、 自分がしていることの意味もわからず、 そのままの状態なら、 人としての尊厳を完全に失っている状態だったろう。 でも、彼女が真摯にお世話をし、 うんちをかきだし、体を洗い、もとのきれいな姿にもどしてあげたことで、 人としての品位をまた取り戻すことができた。 社会的に面倒で、虐げられる存在であるお年寄りの名誉を回復する仕事。 彼女の仕事はなんと尊い仕事だろうか。 私の周りにいる人の中で、 いま、もっとも価値ある仕事をしているひとだろう。 どんな小さないのちでも、 生まれる前のいのちでも、 他人の手を煩わせる人間でも、 最大限の配慮をもって、 丁寧に扱われる権利がある。 それは、人間は、 生まれながらにして、受精した瞬間から、 完全にいのちが絶えるまで、 どんな状態の人間であろうと、 人という人格を持った存在だからである。
by love-the-life
| 2009-04-05 09:13
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